高齢者の歩行訓練が重要なのは、トイレに行く、買い物に行く、外出するなど、日常生活における基本動作のためです。
歩行能力の低下はそのまま日常生活動作のレベル低下に繋がりますので、歩行と生活、そして健康は密接な関係にあります。
コロナ禍において、人と接しないために自宅に引きこもり、歩行が自宅内のみとなられた高齢者が多数いらっしゃいました。その方々の一部は、健康状態から要介護状態にシフトする前の「フレイル(虚弱)状態」になられていました。コロナにより二次被害として注目されたのです。
このように歩かないことが歩けなくなることに繋がります。そしてそれにより更に筋力が低下するという負のスパイラルに陥ります。
もし、ご自身やご家族が以下の様な状態になられていることに気づいたなら、歩行訓練を開始しましょう。
- 歩くスピードが遅くなってきた
- 以前より歩くける距離が短くなった
- 以前より歩幅が狭くなった
- つまずきやすくなった
- 手摺りを持たずに階段が上がれなくなった
- 立っていることが辛くなった
- 猫背になってきた気がする
- 下半身、特に股関節、膝関節、足首の関節の可動域が狭くなった
この中でも特に注意したいのが「つまずきによる転倒」です。
消費者庁のホームページに以下の様に書かれています。https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_040/
消費者庁には、65歳以上の高齢者が自宅で転倒したという事故情報が5年間で275件寄せられており、後期高齢者では前期高齢者の2.2倍にもなっています。また、8割以上の方が通院や入院が必要なけがを負っていました。
転倒によるけがは「頭」「顔・首」の「擦過傷、挫傷、打撲傷」が多くなっていますが、次いで「脚・足」の「骨折」も多く、骨折をした場合は要入院となる高齢者が76%に上るなど、転倒事故によって深刻な状況を引き起こすことが分かりました。さらに、高齢者の自宅内での転倒事故には、下記のような特徴がありました。
転倒事故の発生場所
浴室・脱衣所、庭・駐車場、ベッド・布団、玄関・勝手口、階段
転倒事故の状況
滑る、つまずく、ぐらつく、ベッド等から移動時に引っ掛かる
このように転倒事故の大半が下半身の衰えによります。高齢者にとって「歩行訓練」が如何に重要かをご理解戴けると思います。
また、「歩くこと」は、自分らしい生活をしていくために重要です。
歩くことによって、以下の改善がはかられます。
- 運動不足の解消
- 骨量維持(骨粗鬆症防止)
- 筋力低下防止
- 生活習慣病予防
- 認知症や鬱抑制
- 肩こりや冷えの解消
- ストレス解消
- 便通改善
- 安眠
- 血行促進
- 血圧改善
- 血糖値改善
如何ですか? 歩行することによってこんなに健康予防できるのです。
「コンパスウォーク西神戸」では、歩行訓練以外に「機能回復訓練」にも力を入れています。
老化による様々な機能の衰えや梗塞などによる麻痺に対しても、専門職が「敬護」の精神で回復の支援をいたします。
人生の最終章をいきいきと過ごされるためにも、是非、私たちを頼りになさってください。